参考文献案内

『セブンティーン』。集英社刊行の女子中高生向け情報誌。月刊。

一般に中学・高校に通う年代の人は学校・塾・アルバイトといった一定期間を一緒に過ごすコミュニティーへの参加が多く、各グループ毎に独自の文化を育てる機会が多いです。そのグループの中で丸文字・ギャル文字〜ポケベル・携帯メールといったハードを使い、略語・頭文字・比喩表現などを駆使した仲間うちにだけ通じる隠語を多用し、一種の同胞意識を持った付き合いをします。

自分以外の誰かに用意された同じ空間・時間・目的を過ごすという状況下で、自分自身の手で創り出すサンクチュアリを欲するのは自然な思想です。しかし、例えば社会だとか常識といった漠然とした感触のものを相手に孤独な抵抗を続けるのはあまりにも頼りなく、心細い。そこで気の合う者同士だけで創った最小限の社会の中で、所属する大きな世間と一線を画した文化を共有、ひいては安心を共有するわけです。

ところが世の中そんなに甘いモノではない。何しろ人間が生きていく為の条件は世間が決めているのです。どこかで折り合いをつけなければうまく渡っていけない。そこで今度は身の回りからではなく、世間の中から自分の存在できるカテゴリーを見つけなければなりません。例えば何とか世代とか、あるいはどこそこ出身者とか、はたまた○○階級といったものがそれです。

雑誌というのは安価で気軽、若年層にとっても手に取り易い便利な情報媒体。そして全国的な販路を持った有名雑誌は、ある条件の範囲内での共通事情を確認できる有効な情報ツールです。「気の合う仲間達」と「世間」とをつなぐ中間のアイデンティティー、つまり自分が居るカテゴリーがそこにはあります。

中学生・高校生というカテゴリー、毎日同じように学校に通う人々、同じ季節に同じ行事や同じ服装、同じ悩みを通過して同じ道を通って大人になっていく人たち。女子中高生の共有カルチャー『セブンティーン』とは、そんな世代と個を取り次ぐ大事なアイテムなのです。 『セブンティーン』誌の価格・購入方法。

さて管理人および研究部では、このセブンティーンの制服柄情報を参考にさせていただいています。どんなブランドが、どんな色で、どんなスタイルの制服にチェック柄を用いているのか。メディア露出の多いモデルさんがたくさんいるからでしょうか、セブンティーンではメーカーごとの特集が割りと多く組まれます。専属モデルがイメージキャラクターになったブランドはやはり放っておくわけにはいかないのでしょう。ですからとくにブランド情報が重宝します。

いつの時代も流行をたくさん生み出してきた「女子中・高生」というモンスターカルチャー。それは日本のあらゆる分野の消費行動にかかわってきます。セブンティーンは今まさにこのモンスターの細胞である女子諸君はもちろん、販売やサービスに携わる方々にもきっと役に立つ情報誌です。